〽涙がおもたい 心がいたい
下北ホテル 海も泣いています〽
失恋による傷心を抱え、下北半島への旅でかつての恋人を忘れようとする女性の姿を歌った『下北半島ひとり旅』。
1977年のリリース作品で、この当時の演歌界では石川さゆり氏の『津軽海峡冬景色』がヒットしていた頃。
同時期に同じ青森・北国ソングが出ていたのも面白く、『津軽海峡~』を意識していたのかどうかは分かりませんが、「失恋→北国へ旅するヒロイン」というイメージがさらに固定化しそうな勢いです。
さて本作は、『津軽海峡~』の様なドラマティックな雰囲気はありませんが、「みぞれ」、「さいはて」、「小枝をストーブにくべながら」と言ったように、北国独特の寒々しい感じを想起させるワードが使われています。
この辺の歌詞からも女性の心情を表しているような気がします。
歌唱の園田みゆき氏は、1970年代~80年代にクラウンに在籍していた歌手の様でして、後にはクラウンを離れ、別のレコード会社(利バスター)からシングルをリリースしているのが確認出来ます。
本レコードを入手するまでは、山本正之氏作曲による『はればれ音頭』という楽曲を歌っていた歌手、という認識しかなかったのですが、クラウン時代には他にも『誘蛾灯』とか『千歳ネオン』と言ったムード歌謡を匂わせる作品も残しており、いつかそれら作品群も聴いてみたいと思っている次第です。
【レコードデータ】
レコード会社:クラウンレコード
レコード番号:CW-1698
発売日:1977年9月?日
A面 『下北半島ひとり旅』 作詞:松井由利夫 作曲:中村千里 編曲:竹村次郎
B面 『めぐり逢い』 作詞:松井由利夫 作曲:中村千里 編曲:斉藤恒夫