〽俺はいつでも すまないと
口で言わぬが わびている〽
中川博之氏が楽曲提供をした俳優は、石原裕次郎氏を筆頭に小林旭氏、川崎敬三氏、細川俊之氏、里見浩太朗氏等幾人かいますが、川地民夫氏に楽曲提供したシングル、『惚れているのさ』はレアな作品の一つではないかと思います。
本作は1972年にクラウンからリリースされており、丁度同年に『さそり座の女』がリリース(ヒットは翌年)されましたが、一緒にコンビを組んで次々ヒットを出していた黒沢明とロス・プリモスはビクターに移籍していた頃で、中川氏にとってはヒット作がやや遠のいていた頃の作品となります。
A面『惚れているのさ』は、中川作品らしい切ないマイナーコードのメロディーが印象的な作品で、ニヒルな川地氏のイメージに合った楽曲。
70年代前半の歌謡曲らしい、哀愁を帯びたメロディーラインは後の『三日前』、『女の窓』、『予感』と言った作品にも通底する楽曲です。
B面『日暮れの雨』も、マイナーコードの作品ですが、バラード調の仕上がりの楽曲であるのが少し珍しい一作。
雨というキーワードがある作品のためか、アレンジにも雨をイメージした音飾が施されており、ピアノがポロポロポロ・・・という音色が所々で奏でられているのが印象に残ります。
川地民夫氏は本作以外にもいくつかレコードをリリースしています。
石原裕次郎、小林旭両氏と比べたら量は決して多くは無いのですが、なかなかに甘い歌声を披露されています。
印象から言えば、石原裕次郎タイプに近い、繊細な歌い方をされる俳優さん、というイメージです。
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