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Channel: ディープな歌謡曲の世界~スコティッシュ75のブログ~
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中川博之氏楽曲紹介59 小沢深雪「ラブユー東京」

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 LPのタイトルが『小沢深雪』という歌手名を据えた非常にシンプルなアルバムです。

 このLPは朝日放送系時代劇、「必殺シリーズ」の第五弾『必殺必中仕事屋稼業』の主題歌を歌われていた小沢深雪氏がそれまでの「必殺」主題歌や一般歌謡曲をカバーした楽曲や、オリジナル曲を唄うというコンセプトの元制作されたものです。

 この中に永遠の名曲『ラブユー東京』が収録されておりました。


 オリジナルのロス・プリモスのものと比べますと、大変軽いタッチで心なしかテンポも若干速いような気がします。

 女性の声質に合わせ、オリジナルよりかはキーが低めのアレンジになっています。ただ前述のようにテンポは良いので聴きやすいことは聴きやすいですね。

 ロス・プリモスというコーラスグループがオリジナルということを意識しているのか、男声コーラスが入っており、ムードコーラスのような雰囲気も併せ持っています。(ただしどちらかと言えばこの小沢深雪バージョンは、ムード歌謡と言うよりは普通の歌謡曲テイストの方が全体的に強い印象です)

 
 しかしながらこのLPの最大の目玉はやはり、A面に配された一連の「必殺」シリーズの主題歌カバー(1、2曲目は小沢氏オリジナル)でしょうか・・・?






【レコードデータ】
レコード会社:キャニオンレコード
レコード番号:C-3054
発売日:1975年5月?日
A面
1.『さすらいの唄』 作詞:片桐和子 作曲:平尾昌晃 編曲:竜崎孝路
2.『夜空の慕情』 作詞:片桐和子 作曲:平尾昌晃 編曲:竜崎孝路
3.『旅愁』 作詞:片桐和子 作曲:平尾昌晃 編曲:京建輔
4.『望郷の旅』 作詞:安井かずみ 作曲:平尾昌晃 編曲:武市正久
5.『やがて愛の日が』 作詞:茜まさお 作曲:平尾昌晃 編曲:武市正久
6.『荒野の果てに』 作詞:山口あかり 作曲:平尾昌晃 編曲:京建輔
B面
1.『みゆきの流し唄』 作詞:片桐和子 作曲:平尾昌晃 編曲:竜崎孝路
2.『ラブユー東京』 作詞:上原尚 作曲:中川博之 編曲:竜崎孝路
3.『汚れなき愛』 作詞:片桐和子 作曲:平尾昌晃 編曲:竜崎孝路
4.『港町ブルース』 作詞:深津武志 補作詞:なかにし礼 作曲:猪俣公章 編曲:京建輔
5.『遠くへ行きたい』 作詞:永六輔 作曲:中村八大 編曲:京建輔
6.『みゆきの夢は夜ひらく』 作詞:石坂まさを 作曲:曽根幸明 編曲竜崎孝路


隠れたご当地ソングの名作⑤ ペギー葉山「渋谷・愛の街」

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 この曲は2015年11月14日にテレビ朝日で放送された『タモリ倶楽部』(私が住む広島では2016年2月28日の放送)で紹介されていたのを観て初めて知りました。

 この日の『タモリ倶楽部』では唯一”区歌”がない江東区の歌を勝手に作ろうという企画でした。その番組の中で他の区がどんな歌を区歌に制定しているのかということで何曲か紹介され、その中に何とな~くムード歌謡の匂いが漂う区歌がありました。

 それが1978年に制作された『渋谷・愛の街』と言う曲です。

 作曲はピンクレディ等のポピュラー系でのヒット作が多い都倉俊一氏だったので、こういうムーディな曲を作られていたのはちょっと意外でした。

 歌詞には「風」、「花」、「虹」、「幸せ」等といった”陽”をイメージさせる単語が散りばめられているのですが、メロディはちょっとだけ”陰”を連想させるメランコリックなムード歌謡風歌謡曲に仕上がっています。

 4コーラス構成になっているのですが、途中3番からキーが半音上がって転調しており、聴く人の耳を飽きさせない工夫がなされています。


 どうでもいい事ですが、最初にこのムード歌謡チックな『渋谷・愛の街』を聴いた時にふと、「熊本センタープラザ」のCMソングを連想してしまいました。(;^_^A


 ちなみにこの曲は現在渋谷区のホームページからでも聴く事ができるようになっています。

 

【レコードデータ】
レコード会社:キングレコード
レコード番号:NCS-1095
発売日:1987年11月1日
A面 『渋谷・愛の街』 作詞:保富康牛 作曲:都倉俊一 編曲:田辺信一 唄:ペギー葉山
B面 『渋谷音頭』 作詞:下村八重 補作詞:奥野椰子夫 作編曲:渡久地政信 唄:春日八郎

クラウンレコード 森雄二とサザンクロス ファンクラブのしおりⅡ

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 以前の記事で、「森雄二とサザンクロスのファンクラブのしおり」なるものをご紹介したことがありましたが、最近またオークションにて、別口のファンクラブのしおりがサザンクロスのレコードと共に出品されておりましたので入札して手に入れました。

 
 上の画像が今回入手しましたファンクラブのしおりです。

 以前ご紹介したしおりはベース担当の川池真一氏が在籍していた時のものでしたが、今回は川池氏が抜け、2代目ベーシストの大前篤美(現:あつみ)氏が加わった時のものです。

 しおりにはデビューから現在までの主な作品として『さようなら幸せに』から『はじめまして仙台』までのシングルが記載されていましたので、恐らく1982年頃に作られたものかと思われます。


 

 しおりにあったメンバー紹介です。

 メンバーの写真は『前橋ブルース』のジャケ写のものを使っています。

 森雄二氏、菅野優氏、小川良雄氏の紹介文は以前ご紹介したしおりに記載されていた内容と同一です。

 今回手に入れたこのしおりは新メンバー大前篤美氏の紹介文が目新しい特徴でしょうか。大前氏は昭和26年(1951年)生まれ。帯広市出身。通称は「ボンちゃん」と記載されていました。

 菅野氏の通称「チャーリィ」とともにどこからそんな通称がつけられたのか気になるところです。

 さらに以前ご紹介しましたサザンクロスが唄ったPR盤の『ビューティプッシュ』、『ふれあい』を作詞された美容家の山野愛子氏が名誉会長として名を連ねていたのもちょっとした発見でした。(以前ご紹介したしおりにはファンクラブ発起人の一人として、江戸家猫八氏らと共に名を連ねていました)


 ファンクラブに入ると「会員証の発行」、「会報の発行」、年2回の「懇親会の開催」等の特典がつくようになっていたようです。

 自分があと十数年早く生まれていたら間違いなく入会していたでしょう。(*゚ー゚*)

中川博之氏楽曲紹介60 田代美代子「磐越西線」「喜多方物語」

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 『磐越西線』、『喜多方物語』と2曲とも福島を舞台にした楽曲です。

 中川氏の言によるとこの2曲が制作された背景には、当時のクラウンのある宣伝部社員の方が喜多方出身で親戚も多いのでこの曲の応援が出来るということ。

 もう一つは歌唱の田代氏はシャンソン歌手・石井好子氏の門下生。作詞を担当された高畠じゅん子氏も石井門下生の一人で作詞を学ばれおられたということ。つまりお二人は姉妹弟子にあたる。

 これらのことが相重なって制作が実現した楽曲なのだそうです。


 表題曲『磐越西線』、恋い慕う男性に逢うため男性の故郷・喜多方まで一人でやってきた女性を歌っています。

 各パートで歌われている『あの人の町なら わたしにもふるさと』というフレーズが、女性の男性に対する想いを如実に表現しており印象に残ります。

 また2番にある『喜び 多い方 それが この町 喜多方ね』も大変印象的な歌詞で素晴らしい詞だと思います。


 カップリング『喜多方物語』、こちらは都会に出て行った恋人を、喜多方で一人迎えに来るのを待つ女性を歌った曲です。

 曲のいたるところに『蔵町通り』、『白壁』、『乗合馬車』、『レンガ道』、『飯豊の山』といった感じに喜多方の風景が歌いこまれています。抒情的な楽曲です。


 2曲ともアレンジのせいかムード歌謡という雰囲気ではありません。ただアレンジ次第でムード歌謡になりえる旋律だとは感じます。


 なお『磐越西線』は、瀬口侑希氏が2013年に『夫婦つくしんぼ』というシングルのカップリングとしてカバーしていました。

 
 
【CDデータ】
レコード会社:日本クラウン
CD番号:CRDN-86
発売日:1991年7月21日
トラック1.『磐越西線』
トラック2.『喜多方物語』
両曲とも 作詞:高畠じゅん子 作曲:中川博之 編曲:青木望

トラック3.『磐越西線』(カラオケ)
トラック4.『喜多方物語』(カラオケ)

中川博之氏楽曲紹介61 黒沢明とロス・プリモス「夜の銀狐」

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 斉条史朗氏の名曲『夜の銀狐』。

 ムード歌謡のヒット曲であることから、ムードコーラスグループもロス・インディオス、敏いとうとハッピー&ブルー、森雄二とサザンクロス等がシングルやアルバムでカバーしております。

 今回は先日手に入れました黒沢明とロス・プリモス吹き込みによる『夜の銀狐』の音源をご紹介したいと思います。

 上の画像はそのロスプリバージョンの『夜の銀狐』が収録されているビクターから発売されたカセット『SOUND GALLERY ムード歌謡』のジャケットです。(*詳しい発売年度は不明です)

 実はロスプリの『夜の銀狐』は音源があるということは知っていたのですが、その音源がどのレコード(若しくはカセット)媒体に収録されているのが全くわかりませんでした。

 それがこの度上の画像の、他の歌手とのオムニバス企画のカセットに収録されているのを発見した次第です。(ただこのカセットが初出の媒体ではないかもしれませんが・・・)

 
 さてロスプリの『夜の銀狐』ですが、曲中レキントギターが前奏のメインメロ、歌の最中のオブリガードを奏でており、ラテン音楽の雰囲気を全体に漂わせています。

 森聖二氏のボーカル、特にビクター期は大変艶っぽいボーカルだと個人的に思っているのですが、この『夜の銀狐』でもその艶っぽいボーカルは健在です。

 また、サビに入る前、サビの後のボーカルは優しく語りかけるような歌い方です。

 しかしサビの(特に2回目の)「♪ソロ・グリス・デ・ラ・ノーチェ♪」のところはソウルフルに歌いあげており、曲全体にメリハリをつけてこの歌の世界観を見事に表現しています。


 こういうカバー曲がまだ埋もれていたままになっていたとは・・・。驚きです。(-_\)(/_-)三( ゚Д゚)


【楽曲データ】
『夜の銀狐』 作詞:中山大三郎 作曲:中川博之 編曲:舩木謙一 唄:黒沢明とロス・プリモス

黒沢明とロス・プリモス カバー曲の世界

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 前回の記事では画像の右側に写ってます『SOUND GALLERY ムード歌謡』に収録されているロスプリの『夜の銀狐』を紹介しました。

 今回は上記の『SOUND GALLERY ムード歌謡』にもう一曲、このカセットで私が初めて聴いたビクター音源の『知りすぎたのね』、そして画像左側のアイテム、『Perfection 黒沢明とロス・プリモス』というカセットでこちらも初めて聴いたカバー曲3曲をご紹介したいと思います。



 まずビクター版ロスプリの『知りすぎたのね』(作詞曲:なかにし礼 編曲:近藤進)

 ロスプリ版の『知りすぎたのね』はデビュー初期にクラウンに残した音源のものが有名です(というかこのカセットを発見するまでビクターでも録音されていたことすら知りませんでした)。

 クラウンの音源と比べてみますと、アレンジは70年代という時代もあってか、現代的に垢ぬけた印象を受けました。

 森聖二氏のボーカルは軽さが増し艶っぽくなっており、男の色気みたいなものを醸し出しています。


 ここから3曲は画像左側の『Perfection 黒沢明とロス・プリモス』に収録されていた、他の媒体では見たことが無かったロスプリのカバー曲です。


 『たそがれの御堂筋』(作詞:古川益雄 作曲:加藤ヒロシ 編曲:竜崎孝路)

 
坂本スミ子氏のナンバーのカバーですが、森氏は完全に自分の歌にしてしまっています。

 私この曲は実は知らなかったのですが、カバー曲であるという情報が無かったら完全にロスプリのオリジナル曲と思っていたかもしれません。それくらいハマっています。

 オリジナルに比べると軽い印象を持ったのですが、個人的にはロスプリバージョンの方が聴きやすいかな~?と感じます。


 『ふれあい』(
作詞:山川啓介 作曲:いずみたく 編曲:川上了)

 『あなたのすべてを』(
作詞曲:佐々木勉 編曲:竜崎孝路)

 『ふれあい』は中村雅俊氏、『あなたのすべてを』は
尾崎紀世彦氏、フランク永井氏等の歌唱が残ってるナンバーです。

 ロスプリは大体ムード歌謡か、演歌系歌謡曲のカバーが多いので、こういうポップス寄りのカバー楽曲はちょっと珍しいかもしれません。

 『ふれあい』は特に秀逸です。

 森聖二氏の語りかけるような歌唱が何とも言えず良いのです。



 資料によるとまだまだロスプリの隠れたカバー楽曲はあるようで・・・(^_^;)

 ロスプリものを集めだして十数年以上になりますが、奥が深すぎますね~A=´、`=)ゞ

中川博之氏楽曲紹介62 児島美ゆき「疾走の口笛」

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 クラウンレコード制作の「おはようサイクリング推薦歌」と記された非正規盤・PRレコードです。

 詳しい発売年度は不明ですが、1970年代前半頃のものかと思われます。

 「おはようサイクリング」というのが何かのキャンペーンだったのか、それとも団体名か何かなのかは不明ですが、サイクリングを普及する目的のレコードであることは一目瞭然。

 中川氏はB面の『疾走の口笛』という曲を作曲されています。

 この曲は4コーラス構成なのですが、1コーラスの歌詞がたったの2行。

 サビ以降はまず口笛のソロ、そして「♪ララランランランランラン♪」というボーカルのみでメインメロが奏でられている一風変わった構成になっています。

 メロディは中川氏の楽曲にしては珍しい大変明るいメジャーコード主体の曲です。

 歌唱の児島美ゆき氏のボーカルも可愛らしく、爽やかな一曲となっています。

 中川メロディでこの明るさは、由美かおる氏の楽曲『緑の谷間へ帰ろうよ』(『ラスト・デート』B面曲)を想起させます。



【レコードデータ】
レコード会社:クラウンレコード
レコード番号:PRS-255
発売日:?年?月?日
A面 『サイクリング賛歌』 作詞:奥野椰子夫 作曲:井上忠也 編曲:記載なし 唄:高島浩二
B面 『疾走の口笛』 作詞:奥野椰子夫 作曲:中川博之 編曲:記載なし 唄:児島美ゆき


広島ご当地ソング紹介34 夕子&英二「ふたりの広島」

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 詳しい発売年度は不明(恐らく70年代末期?)のテイチクレコード制作のシングルです。

 夕子&英二の英二とはA面『盛り場おんな』でソロを務める松原英二氏。(夕子という方は写真もプロフィールもレコードにはなにも記載がありませんでした。)

 『ふたりの広島』はレコードジャケット裏の松原氏のプロフィールによると、昭和53年9月仕事で広島へ来たことが縁で『ふたりの広島』を作詞作曲されたとありました。

 また、この中古レコードを買った時に松原氏のさらに詳しい略歴が書かれた小さなチラシのようなものがあり、そこには「広島御当地ソング初の男女デュエット」と銘打たれていました。

 『銀座の恋の物語』、『東京ナイトクラブ』の広島版といった感じですが、それらとはもう少しメロディ的には軽いタッチのムード歌謡に仕上がっています。

 レコード番号を見るとどうも正規のテイチク盤ではないかもしれず、PR・自主制作盤っぽい匂いが感じられます。

 そのためかアレンジにやや厚みが足りない気がし、あまり70年代末期の楽曲とは思えませんでした。

 
 さて上記の小さなチラシには、松原氏はかつて敏いとうとハッピー&ブルー等が所属していた芸能事務所に在籍しており、それが縁でハッピー&ブルーもこのレコードの制作に前面協力を約束していた・・・という面白いエピソードが書かれていました。

 松原英二氏は現在は作曲家として活動されておられるようで、出身は岩手県釜石市なのですが現在は広島県三原市に在住とのこと。

 近年では広島県出身の歌手・南一誠氏の『哀愁のトレモロ』や『愛の終章(エピローグ)』等を手掛けられています。



【レコードデータ】
レコード会社:テイチクレコード
レコード番号:56-14
発売日:?年?月?日
A面 『盛り場おんな』 作詞:水木かおる 作曲:信楽順三 編曲:森岡賢一郎 唄:松原英二
B面 『ふたりの広島』 作詞曲:松原英二 編曲:晌ひろし 唄:夕子&英二

隠れたご当地ソングの名作⑥ アローナイツ、森咲あゆみ「六日町ブルース」

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 このシングルはトラック1にアローナイツ歌唱の、トラック2に森咲あゆみ氏歌唱の『六日町ブルース』がそれぞれ収録されており、デュエット曲ではありません。

 曲名にもなっている「六日町(むいかまち)」とはかつて新潟県にあった自治体で、2004年に同県大和市と合併し現在は南魚沼市という自治体名になっています。

 この曲も隠れたムード歌謡の名曲かと思います。

 憎い男を憎めずに西へ東へあなたを追って来た町・・・それが「六日町」。

 探していた男性は見つかったのかどうかは曲中では言及されていませんが、女性は男性のことが「♪忘れられない 忘れたくない♪」と歌われており、ムーディなメロディが切なさを醸し出しています。


 アローナイツバージョンと森咲あゆみバージョンでは同一のカラオケを使用していますが、機械的にキーを変えているようで、前者は「Gm」、後者は「C♯m」に加工されています。


 この曲は作詞に山岸一二三氏、作曲に山岸之起氏の名前がクレジットされておりました。

 このお二方は御兄弟らしく、美川憲一氏や黒沢明とロス・プリモスの競作となった『新潟ブルース』、『信濃川慕情』、ロス・プリモスの『亀田慕情』、『アイ・ラブ・ユー新潟』、『雪の長岡恋の町』と言ったムード歌謡を手掛けられております。

 これらの楽曲以外にも主に新潟を題材にした楽曲を手掛けられており、『東堀ブルース』、『萬代橋で逢いましょう』等といった作品を残しておられます。(個人的に大変気になる楽曲名なのですが(^_^;))

 ちなみに作曲の山岸之起氏は以前、山岸英樹とサムソナイツというムードコーラスグループのリーダーを務めておられたことでも知られています。


【CDデータ】
レコード会社:日本クラウン
CD番号:CRDW-50032
発売日:1992年6月21日
トラック1 『六日町ブルース』 作詞:白鳥鍵、山岸一二三 補作詞:里村龍一 作曲:山岸之起 編曲:小杉仁三 唄:アローナイツ
トラック2 『六日町ブルース』 唄:森咲あゆみ
トラック3 『六日町ブルース』(男声用カラオケ)
トラック4 『六日町ブルース』(女声用カラオケ)

隠れたご当地ソングの名作⑦ ラブ・サントス「松山慕情」

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 四国愛媛県松山市を舞台にしたムードコーラスです。

 中四国を舞台にしたムード歌謡というのは、無いことは無いのですがやはり札幌(北海道)・東京・横浜・大阪・長崎などに比べるとあまり見かけません。

 ましてやムード歌謡コーラスグループが歌う楽曲というのはまたさらにグッと数が少なくなるでしょう。

 そう言った意味ではこのラブ・サントスの『松山慕情』はなかなか稀有な楽曲と言っても良いかもしれません。

 
 曲調やアレンジは松山と言う「城下町」を舞台にしているにも関わらず、大都市「東京」「大阪」を舞台にした曲としても通用するような正統派ムード歌謡曲です。

 リードボーカルを務める樋口司郎氏の鼻美声の歌声も曲全体に都会的な雰囲気を漂わせています。

 歌詞には「子規堂」、「道後」、「瀬戸内灯り」、「伊予のかすり」と松山ゆかりの語句が出てきます。


 ちなみにこのグループのシングル曲に『酔いしれてラブ・ナイト』という曲があります。

 森進一氏の『盛り場ブルース』のような全国各地の盛り場を盛り込んだ曲なのですが、3番で四国の盛り場が歌い込まれておりこのグループは何か四国と繋がりがあるのかな?と長年疑問に思っているのですが
どうなのでしょう・・・。(^_^;)


【レコードデータ】
レコード会社:日本コロムビア
レコード番号:AK-669
発売日:1980年7月?日
A面 『松山慕情』 作詞:岡久美子 作曲:和田香苗 編曲:土持城夫
B面 『幸せにおなりよ』 作詞・作曲・編曲:和田香苗

名優の歌ったデュエット歌謡 「ずるいョ」

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『ずるいョ』(作詞:伊藤アキラ 作曲:小林亜星 編曲:高田弘)


 先日の9月5日にお誕生日を迎えられて77歳になられた私の大好きな俳優・若林豪氏が1992年12月にリリースされたデュエットシングルCDです。

 デュエットのお相手はクラウンの篠路圭子氏。

 若林豪氏にとっては恐らく1969年の『花のお江戸のすごい奴』(同名時代劇主題歌)以来の楽曲リリースなのかと思われます。

 さてこの『ずるいョ』は、ミリオン株式会社の商品「無臭ニンニクミリオンパワー」というサプリのCMソングでもありました。

 当時はテレビ、ラジオでもこのCMが流れており、私はラジオCMでこの歌と若林氏の存在を知りました。

 CMで若林氏は歌に乗せてこのようなコメントを仰られていました。


 「若林豪です。

 昔から健康維持のために臭いニンニクをいっぱい食べて来ました。

 それなのに、ずるいよ。 

 こんな凄いのがあったなんて」


 ダンディな口ぶりとシュールなコメントが私にとって強烈なインパクトを与えました(^_^;)


 さてこの『ずるいョ』は男性は一途に女性の事を想っているのですが、女性はそれが重荷になったのか男性に別れを告げる・・・というか嫌になったのか捨てる?ようなシチュエーションの歌です。

 若林氏が捨てられる側の男性を歌うとは、これもまた意外な感じもしたのですが。

 曲の感じは軽いタッチのムード歌謡の作りになっているので、詞の内容にしてはあまりジメジメした感じにはならずサラッと聴けるタイプの歌です。(まあそこはCMソングですからジメジメにはならいでしょうが・・・)

 ただしCDとCMとでは歌詞が異なり、CM版は商品のイメージに合わせた歌詞で歌われておりました。

LP 敏いとうとハッピー&ブルー「ナイトクラブ・オン・ステージ」

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 『わたし祈ってます』発売の翌年1975年にリリースされたLPです。

 帯に「実況録音盤」と銘打たれているように、新宿のヴェルサイユというお店で収録されたハッピー&ブルーの貴重なライブアルバムです。

 曲目は以下の通りです。


 A面
 1.わたし祈ってます
 2.メドレー 
   夜の銀狐~星降る街角
 3.やすらぎ
 4.心のこり
 5.他人じゃないの
 6.北へ帰ろう

 B面
 1.どうするつもりなの
 2.こんな男でよかったら
 3.女のこよみ
 4.ワンコーラス・メドレー
   くちなしの花~あじさいの雨~ついて来るかい
 5.羽やすめ
 6.昔の名前で出ています
 7.わたし祈ってます



 全体的にオリジナルよりやや速いテンポにアレンジし直されています。

 クレジットによると編曲家・竜崎孝路氏が音楽監督を担当。バックバンドのエレキピアノ演奏も竜崎氏自ら演奏されていたようです。

 バックコーラスはステレオ効果で左右に別れて録音されており、中央から森本英世氏のボーカルが聴こえてくるので、あたかも自分もナイトクラブで(行ったことは無いのであくまで想像ですが)彼らの歌を聴いているような感じになるような作りになってます。

 普段のレコードとは違うライブ盤なので、色んな発見があります。


 3トラック目『やすらぎ』の前で、リーダー敏いとう氏が以下のように語っていました。

 「ヴェルサイユで僕たちが初めてのライブ盤を作るっていうことが出来まして、どうも皆さんに感謝します。
何しろ僕たちはみんな音楽が大好きな連中の集まりです。一人でも多くの人に僕たちの歌を聴いて良かっ
たなって思ってもらえれば幸せです。最後まで頑張ります。よろしくお願いします」


 意外にも(?)真面目なコメントで、氏のキャラクターとのギャップに戸惑ってしまいそうです(^_^;)

 また『羽やすめ』の曲前には、 「羽田でメンバーと飯を食いに行った時に出来た歌です。羽田で羽やすめです(笑)」と冗談かホントかわからないようなトークもしておられました。

 ライブ盤ということで、もちろん森本英世氏のトークもあるだろうな~と思っていたのですが、残念ながら敏いとう氏のトークのみで終ってしまっていました。(´_`。) (当時の女性ファンはどんな気持ちで聴いていたのか気になる所ですが・・・)

 その森本氏の歌唱、ラストのアンコール的な感じで歌われた『わたし祈ってます』ですが・・・。
 
 この曲がヒットするまでにメンバーは有線放送回りや全国キャンペーンをしていた・・・というエピソードを司会の方が語ってから、ラストの『わたし祈ってます』に流れる・・・という構成になっていました。

 そのような前置きがあったからなのか、3番あたりから森本氏の歌声が徐々に声を詰まらせながらの歌唱になっていき、 最後は涙声ながらも歌いきるのです。

 映像はなく音声だけなので、いきなりこういう展開になるとは思わず驚きました。

 そう言った意味でもこのLP、なかなか貴重な音源が収録されているな~と思った次第です。


 ちなみに、LPの裏にはハッピー&ブルー・ファン・クラブの連絡先が書いてあり、当時やはり彼らのファンクラブが存在したという事実を新たに発見することが出来ました。

 

中川博之氏楽曲紹介63 平和勝次とダークホース「大阪の夜は更けて」「港おんなのみれん唄」

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 『宗右衛門町ブルース』でおなじみ、平和勝次とダークホースの2枚目にして最後のアルバムです。

 当初は5人編成のグループでしたが、アルバムの表題曲にもなっている『逢えない涙が雨になる』という3rdシングルより3人編成になりました。

 中川氏はこのアルバムのために2曲彼らにオリジナル曲を提供されていました。


 まずA面2曲目に配された『大阪の夜は更けて』。

 どちらかと言えばムード歌謡というより、演歌(ともすればド演歌)的な楽曲を歌っているイメージが強い彼らですが、この『大阪の夜は~』は大変ムーディな楽曲になっており、中川氏お得意のマイナー調の都会的ムード歌謡となっています。

 平和勝次氏のボーカルもしっとりとした歌唱になっており、ムード歌謡曲らしい良い塩梅の心地よさです。


 B面1曲目『港おんなのみれん唄』。

 こちらは『宗右衛門町~』路線のモロに演歌の楽曲です。

 ダークホースが演歌な曲を歌うということに関してはさして驚かないのですが、中川氏がこの曲のような作品も手掛けられていたということに関しては少し意外でした。

 多分作曲家クレジットが無かったら絶対に中川氏の作品だと思うことは無かったでしょう。

 
 余談ですが、リーダー平和勝次氏は長い間ずっと関西出身の方だと思っていたのですが、実は広島県(竹原市)のご出身だということを2,3年前に知りました。

 同じ広島県生まれの自分にとっては、フルセイルズの南有二氏に続く二人目の広島出身のムードコーラスのリーダーということで妙に親近感が沸いてきます。(^^)







【レコードデータ】
レコード会社:クラウンレコード
レコード番号:GW-6126
発売日:1973年9月?日
A面
1.『逢えない涙が雨になる』 作詞:丹古晴己 作曲:彩木雅夫 編曲:池田孝春
2.『大阪の夜は更けて』 作詞:早船絢 作曲:中川博之 編曲:小杉仁三
3.『京都から博多まで』 作詞:阿久悠 作曲:猪俣公章 編曲:小杉仁三
4.『長崎は今日も雨だった』 作詞:永田貴子 作曲:彩木雅夫 編曲:小杉仁三
5.『大阪の夜』 作詞:星野哲郎 作曲:猪俣公章 小杉仁三
6.『盛り場ブルース』 作詞:藤三郎 作曲:城美好 補作曲:村上千秋 編曲:小杉仁三
7.『宗右衛門町ブルース』 作詞:平和勝次 作曲:山路進一 編曲:藤尾正重

B面
1.『港おんなのみれん唄』 作詞:西沢爽 作曲:中川博之 編曲:小杉仁三
2.『思案橋ブルース』 作詞曲:川原弘 編曲:小杉仁三
3.『好きなのよ』 作詞:丹古晴己 作曲:彩木雅夫 編曲:池田孝春
4.『波止場町』 作詞:阿久悠 作曲:猪俣公章 編曲:小杉仁三
5.『酒場の女』 作詞:高橋譲治 作曲:新井靖夫 編曲:馬飼野俊一
6.『女泣かせの夜の町』 作詞曲:平和勝次 編曲:小杉仁三

隠れたご当地ソングの名作⑧ ジ・アーズ「盛り場の女(ひと)」

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 クールファイブ路線のムードコーラスグループ、ジ・アーズの1971年暮れ(もしくは1972年明け?)に発売されたシングルです。

 彼らにはデビュー曲『長崎ごころ』というヒット曲があり、LPも確認出来るだけで2枚存在するのですが、『長崎ごころ』以降に出した曲はさほどヒットに恵まれず解散。

 後に「銀河」なるグループ名になったそうですが、その後の消息は杳として知れません。

 さて、「ご当地ソング紹介」と銘打ってますが、この曲は一つの街を歌ったものではなく、森進一氏の『盛り場ブルース』のような全国各地の盛り場を歌ったものであります。

 さしずめムードコーラス版の『盛り場ブルース』と言った感じの・・・というかモロにその路線の曲です。

 6コーラス編成の楽曲で、札幌→福岡までの盛り場が歌い込まれいます。

 そして、各地盛り場で働く(?)女性の名前も歌詞に盛り込まれているのです。


 一番から順に・・・

 1.「札幌すすきの ひろ子の涙」
 2.「仙台一番町 泣いてるゆき子」
 3.「東京新宿 やさぐれまゆみ」
 4.「名古屋納屋橋 つめかむあけみ」
 5.「大阪ミナミ あてないゆり子」
 6.「博多中洲 ふりむくあや子」

 という具合です。


 アレンジに口笛が(実際の口笛かどうかは判りませんが)使用されているのが印象的且つ耳に残り、アーズの曲ではほとんど見かけないマイナーコード主体の楽曲です。

 ただ、如何せん『盛り場ブルース』の二番煎じ的な感じは否めませんが、個人的にはアーズの曲では一番好きな曲です。



【レコードデータ】
レコード会社:ビクターレコード
レコード番号:SV-2218
発売日:1971(?)年12(?)月?日
A面 『盛り場の女』 
B面 『淋しい街』
両面とも 作詞:鳥井みのる 作曲:猪俣公章 編曲:近藤進

中川博之氏楽曲紹介64 森雄二とサザンクロス「京都ろまん」

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 クラウン時代の森雄二とサザンクロス、ほぼ最末期にリリースされたシングルレコードです。

 サザンクロスは(特に中川氏とのコンビネーション作品では)、典型的なムード歌謡といった感じのオリジナル楽曲が大半でしたが、今回の『京都ろまん』はしっとりとした”やや”演歌懸かった歌謡曲仕立てになっています。

 イントロや間奏、コーダの主旋律ではエレキギターによる演奏が耳に残るのですが、やはり「京都」を舞台にした曲ということでオブリガードで「京琴」が使用されており、純和風の雰囲気を出しています。

 「東山」、「大文字」、「鴨川柳」、「高瀬川」、「木屋町筋」、「先斗町」、「嵯峨野」、「嵐山」、「西陣織」と京都を代表する名所等が歌の随所に散りばめられており、京都の情景をまざまざと頭の中に想起させてくれます。

 この曲は彼らのベストアルバム、LP、CD共に収録されたことはあるにはあるのですが、どちらかと言えばやはり、収録される機会にはほとんど恵まれない1曲ではあります。

 
 私の調べた限りでは、サザンクロスはこの曲の次にリリースする『愛はゆらゆら』をクラウン最後のシングルとして残し、その直後に残念ながら一旦解散してしまいます。

 中川氏にとってはそのことがショックだったようで、仕事をする気にもならないほどだったそうですが、自ら唄うことで気を紛らそうと後に自作自演のシングルを出すきっかけにもなりましたが、それはまた別の機会に・・・。


【レコードデータ】
レコード会社:クラウンレコード
レコード番号:CWA-233
発売日:1984年?月?日
A面 『京都ろまん』 作詞:新本創子 作曲:中川博之 編曲:神山純一
B面 『誰かが泣いて・・・』 作詞:北島和明 作曲:中川博之 編曲:神山純一 (オリジナルLP『愛』からのシングルカット)


隠れたご当地ソングの名作⑨ 内海アドリブ「別れたらツギのひと」

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 1981年発売のレコードで、タイトルからも分かるとおり、ロス・インディオス&シルヴィアのヒット作『別れても好きな人』のタイトルパロディ曲です。

 曲中「御堂筋」、「中の島」という地名が出来ており、大阪を舞台にした歌であることから歌唱の内海アドリブご両人はジャケットの容姿、名前から関西系のお笑いの方なのかな?と想像するのですが、詳しいことは判りませんでした。

 
 さて、この『別れたらツギのひと』。

 タイトルは『別れても~』のパロディではあるのですが、曲調は『別れても~』とは似ても似つかぬ歌謡曲です。(決してムード歌謡ではありません)

 個人的に何だか山本正之氏が作曲しそうなメロディラインの歌だなという印象を持ちました。

 アレンジも神保正明氏が担当されており(山本氏の楽曲アレンジも多く担当)、それも手伝ってかそんな印象を持つのかもしれません。

 非常に勢いのある、パンチの効いたアレンジに仕上がっており、この勢いは神保氏がアレンジを担当した『燃えよドラゴンズ!』(1974年バージョン)、『ぼくらの憧れライオンズ』を彷彿とさせます。

 内海アドリブご両人の歌もそのアレンジに負けじとパンチの効いた歌唱を披露してくれてます。

 この勢いのよさで「♪別れたら 別れたら ツギのひ~と ツギのひと♪」と歌われてはこちらではもう止めることはできません(^_^;)



 これも隠れたなかなかの好企画レコードだと思いました。



【レコードデータ】
レコード会社:クラウンレコード
レコード番号:CWA-66
発売日:1981年?月?日
A面 『別れたらツギのひと』 作詞:丹古晴己 作曲:水木翔子 編曲:神保正明
B面 『私がいなけりゃ駄目なひと』 作詞:深山美代子 補作詞:丹古晴己 作曲:水木翔子 編曲:神保正明

秋庭豊とアローナイツ カバー曲の世界~『別れても好きな人』を聴いて~

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 1980年8月にリリースされたアローナイツのLP『演歌熱唱集』です。

 1975年のデビュー以来所属していたワーナーから離れ、次にSMSというレコード会社の所属になるのですが、丁度そのレコード会社所属時代にリリースされたLPとなります。

 このLPは主に当時の流行歌をアローナイツが唄うというカバーアルバム(一部彼らのオリジナルヒット曲も含まれます)。


 以下はこのアルバムの収録曲です。

A面
1.雨の慕情
2.涙きらり
3.おまえとふたり
4.とまり木
5.夢追い酒
6.おれでよければ
B面
1.倖せさがして
2.別れても好きな人
3.舟唄 
4.おもいで酒
5.あきらめないで
6.よせばいいのに



 どのカバー曲も彼らの色に染まってしまっており、オリジナルの良さを損なわないどころか、なかなか完成度の高いカバーで、オリジナルに引けをとりません。

 これもひとえにリードボーカル・木下あきら氏の歌唱力の高さがなせる技でしょう。

 私は個人的には『別れても好きな人』なんかが気に入っております。

 これはデュエットではなく、アローナイツのみの歌唱です。
 
 アレンジはロスインディオス&シルヴィアバージョンのものを踏襲しておりますが、ロスインバージョンでは前奏間奏でフルートがメインメロを奏でていましたが、アローナイツバージョンはサックスに変更されていました。

 サックスに変わることにより、音に重厚さが増しアローナイツの持つ一種の男臭さというものを際立たせているようにも感じます。

 この傾向はワーナー時代の『コモエスタ赤坂』や『熱海の夜』等のカバーにも通じる所でしょう。

 上記何曲かは他のアローナイツのLPにも収録されているものもあり、また近年発売された彼らのCDBOXでも聴ける曲もあるので、比較的聴くことが容易なものかと思います。

『ムードコーラス命です』 エド山口&シルビア

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 私の心情をタイトルにしたような曲ですが・・・。

 この『ムードコーラス命です』(作詞:逢坂俊季 作編曲:伊戸のりお)は2003年にリリースされたエド山口氏と今は亡きシルビア氏のデュエットシングルCDです。

 まあ、いわゆるパロディ曲・・・と言っても良いかもしれません。

 デュエット曲なのですが、曲名通りちゃんとムードコーラスのような裏声を使ったコーラスが入っており、メロディもムードコーラスの楽曲によくあるマイナーコードのムーディなものになっております。

 ムードコーラス好きのツボを押さえたような作りになっているのです。

 歌詞はムードコーラスのヒットナンバーのタイトルがそこかしこに散りばめられており、これまたムードコーラス好きな人は思わずニヤリとするのではないかと思います。


 以下はこの曲に出てくるムードコーラス楽曲のタイトルです。

 1番・・・ 「雨の銀座」、「コモエスタ赤坂」、「ヘッドライト」、「ふりむかないで」、「ラブユー東京」、「知りすぎたのね」、「よせばいいのに」、「意気地なし」、「さようならは五つのひらがな」

 2番・・・ 「小樽(のひとよ?)」、「新潟ブルース」、「夜の柳ケ瀬」、「旅路のひとよ」、「噂の女」、「宗右衛門町(ブルース)」、「神戸で別れて」、「泣きぼくろ」、「星降る街角」

 3番・・・ 「夜の銀狐」、「それぞれの原宿」、「愛のふれあい」、「東京砂漠」、「銀座の恋の物語」、「君は心の妻だから」、「別れても好きな人」


 実はもうこれだけでこの曲の歌詞をほぼそのまま書いてるようなものなんですが・・・。

 2番と3番の間奏ではハッピー&ブルーの「よせばいいのに」のイントロっぽい感じになるのもミソです。


 また、この曲の始めと終わりにあるキラーフレーズがムードコーラスの世界観を端的に表した歌詞になっており、なかなか良いのであります。

 ♪男と女 夜と酒 甘く切なく 酔わせてほしい ムードコーラス ムードコーラス イカせてよ♪



 ・・・とまあ、パロディとしては非常に良くできた楽曲だと思いますが、欲を言えばどうせならムードコーラスグループが歌ったら面白くなっただろうな~とも思いました。

隠れたご当地ソングの名作⑩ 和田弘とマヒナスターズ「ふたりの盛岡」「盛岡ブルース」

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 メンバーの変遷に色々紆余曲折あった和田弘とマヒナスターズが、元のオリジナルメンバーとなって活動を再会した時代(1993年)にリリースされたシングルです。

 『ふたりの盛岡』、『盛岡ブルース』の2曲は最近では森本英世氏のアルバムでカバーもされており、なかなかの隠れた名曲だと思います。


 『ふたりの盛岡』

 この曲は私が高校生の時、NHK-FMで平日昼間にやってた音楽番組で、「マヒナスターズ特集」が組まれており、そこでかかっていたのを聴いたのが最初でした。

 それが確か秋の頃だったと思うのですが、この曲の典型的なマイナー調の「ムード歌謡コーラス」が季節柄ピタリと嵌り、ファルセットの佐々木敢一氏の唄声がさらに切なさを強調。

 哀愁漂う雰囲気が増幅され初めて聴いた私は一気にこの曲に魅了されました。

 ただ、歌詞の内容は盛岡市内をデートする男女の曲で決して別れ唄ではありません。

 これまで私が聴いたマヒナの唄でも上位に位置するくらい好みの楽曲です。


 『盛岡ブルース』

 こちらは青江三奈氏のカバー曲になります。

 オリジナルと比べるとソフトな軽いアレンジとなっており、スチールギターも入りマヒナらしさが出ているアレンジです。

 青江Ver.は切羽詰まった情感あふれる感じの雰囲気なのですが、マヒナVer.は大変ゆったりとした歌い方で落ち着いて聴けます。(青江Ver.もそれはそれで良いのですが)


 ちなみにジャケットのイラストはボーカルの三原さと志氏が手掛けられたものです。



【CDデータ】
レコード会社:ビクターエンタテインメント
CD番号:VIDL-10381
発売日:1993年8月21日
トラック1 『ふたりの盛岡』 作詞:つのかけよしこ 作曲:角掛芳克 編曲:竜崎孝路
トラック2 『盛岡ブルース』 作詞曲:つのかけ芳克 編曲:竜崎孝路

名優・天知茂 ラストアルバム『北の海にて』

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 名ハードボイルド俳優・天知茂氏が最後に遺した音楽、それがこのLP『北の海にて』です。

 このLPが発売されたのが1984年。

 1985年に亡くなる前年、このような氏の音楽の集大成とも言うべきアルバムが発売されたのは何かの因縁だったのでしょうか・・・。

 帯に書かれているように天知氏の芸能生活35周年記念として、全曲氏の作詞作曲によるオリジナル楽曲で構成されたまさに”意欲作”。

 
 以下は収録曲です。

A面
1.おもいで演歌 (唄:天知茂)
2.渡り鳥 (唄:天知茂)
3.四畳半 (唄:池波志乃)
4.涙をためて (唄:天知茂)
5.星よ (唄:天知茂)
B面
1.北の海にて (唄:天知茂)
2.恋の花火 (唄:親王塚貴子)
3.別ればなし (唄:朝比奈順子)
4.カルメン幻想 (唄:天知茂)
5.マイフレンド (唄:天知茂)

作詞曲:天知茂(全曲)
共作詞:峰英樹(A-4)
編曲:京建輔(A面全曲)、高田弘(B面全曲)



 天知氏はこのLPの構成、タイトル書も手掛けられており、また曲の合間にも氏のナレーションが挿入されていたりと、まさに「天知ワールド」を堪能できるアルバムかと思います。


 基本的にゆったりとした感じの演歌が多いのですが、『恋の花火』は意外にも(他の楽曲に比べ)アップテンポなアダルトポップス調の楽曲なのに驚きました。

 編曲の妙もあるのでしょうが、若々しい感じの曲で「こんな曲も書かれるんだ」という発見があり、なかなか良いと思いました。

 『別ればなし』はメランコリックなメロディが個人的にツボで、このアルバムではなぜか一番印象的な歌。

 『カルメン幻想』、カスタネットやギターの音色がスペイン民謡を彷彿させなかなか情熱的な歌曲。

  
 このように、音楽にも精力的に取り組まれていた天知氏が翌年急逝してしまうとは・・・。

 その後も生きておられたらどのような活躍をされていたのかということを思いめぐらせると、いてもたってもいられません。

 このアルバムを聴く度、そんなことを思ってしまいます。



                             裏ジャケット


                            歌詞カードより

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