〽薄い胸して やせた肩して 泣くな いもうとよ〽
クールファイブ系路線のムードコーラスグループの一つとして挙げることが出来る、ジ・アーズ。
前川清と森進一の歌い方を合体させたような嶋浩氏の破壊的なリードボーカルは、聴取者にそのインパクトを鮮明に脳裏に植え付け、このグループのハードさを印象付けます。
そんなハードなグループである彼らのシングルに『いもうと』なる作品が存在します。
内容は失恋して、憔悴しきって帰ってきた妹を兄が慰める、というものです。
歌詞だけ読むとあまり感じませんが、これがグループのリーダー野田考一氏作曲のメロディーと、嶋浩氏のボーカルが付くと曲全体に”悲壮感”が支配。
出だしからの甲高い裏声のコーラス、嶋浩氏独特のしゃくりあげる歌い方・・・、これらが一体となって兄の悲壮感が否が応でも高まっていきます。
そこまで感情移入するか！？というくらいに妹の失恋を嘆きまくっており、ややもすればシスコンとも受け取られ兼ねない雰囲気になっています。
現実問題こんなに感情移入する兄がいたら、現代の感覚からすると、妹もウザいと感じるかもしれませんが・・・(;´Д｀)
夜の街の盛り場、男と女の織り成す恋愛模様という題材が多いムードコーラスにおいて、こういったテーマは非常に稀なので、ある意味貴重な作品かと思います。
【レコードデータ】
レコード会社：ビクターレコード
レコード番号：SV-2184
発売日：？年？月？日
A面 『いもうと』 作詞：阿久悠 作曲：野田考一 編曲：寺岡真三
B面 『流れ川無情』 作詞：山口洋子 作曲：渡久地政信 編曲：寺岡真三
（↑ランキング参加中！よろしければクリックをお願いします。(__)）