1975年発表のこのレコードの発売当時、北島氏の歌う歴史上の人物を題材にした楽曲が企画されたそうで、この『織田信長』の制作にはどういう経緯があったのか不明ですがムード歌謡作家・中川博之氏が起用されました。
A面『織田信長』の作詞は右翼運動家として名を馳せた児玉譽士夫氏。
これまでの中川氏のお洒落なムード歌謡の要素は完全に廃されて、マイナー調の勇ましく力強い楽曲に仕上がっており、完全に「北島三郎の世界」がそこに広がっていました。
中川氏の自伝書によると、北島氏はその楽曲の出来に満足したようで、「中川君はムード歌謡が得意と聞いていたがいい曲を書くじゃないか」と伝え聞かされたそうです。
B面はなかにし礼氏作詞による『人生五十年』。
中川氏にとっては、こちらの作品の方が好みだったようですが、こちらもムード歌謡ではなく、メジャー調の「北島三郎」の曲です。(^_^;)
このレコードは中川博之氏の作品群の中でもかなり異色な、「ムード歌謡」色が全くない珍しい楽曲でした。
【レコードデータ】
レコード会社:クラウンレコード
レコード番号:CW-1522
発売日:1975年11月25日発売
A面 『織田信長』 作詞:児玉譽士夫 作曲:中川博之 編曲:安形和巳
B面 『人生五十年』 作詞:なかにし礼 作曲:中川博之 編曲:安形和巳