黒沢明とロス・プリモスの楽曲に『神戸で別れて』という名作がありますが、そのオリジナルを歌ったことで知られるのが、今回ご紹介しますこの東京モナルダというグループです。
画像は1969年発売の「くちべにのあとは」というレコードですが、今回はそのB面に配された『青山午前2時』という楽曲をピックアップしました。
フランク永井氏には『東京午前三時』、以前このブログでもご紹介しました松尾和子氏には『午前零時に逢いましょう』・・・といったように深夜の時間帯を明確に示したタイトル楽曲がムード歌謡にはあり、そのタイトルだけでムーディな世界に引き込まれそうな感じです。
この『青山午前2時』もなかなかムーディな楽曲に仕上がった佳曲ですが、サウンド的にはややグループサウンズっぽい音に近いと個人的に感じました。
東京モナルダの歌声もどちらかと言えば聴きようによってはGSのような印象も受け、まさにムードコーラス化していった後期グループサウンズの音に似ています。
しかし曲全体の湿度はGSよりも高めで、程よく纏まり落ち着いた楽曲ですので、ムード歌謡好きの耳を楽しませるには十分な名曲だと思います。
【レコードデータ】
レコード会社:ビクターレコード
レコード番号:SV-907
発売日:1969年11月?日
A面 『くちべにのあとは』 作詞曲:浅野和典 編曲:小谷充
B面 『青山午前2時』 作詞:岡田憲和 作編曲:小谷充