〽帰らぬ人でも面影を忍ぶ そんな夜の町の灯は寂しい〽
以前紹介しました矢野憲一郎とアロー・ナイツ『想い出の長崎』。
そのB面に配された『夜の慕情』は、高橋勝とコロラティーノのメンバー、川原弘氏の作詞作曲という、同じ長崎のムードコーラス同士の繋がりを感じる1曲となります。
サックスのムーディな音色からスタートする本曲は、正当派ムードコーラス楽曲の様相を呈しており、曲のセンチメンタルさも相まって、個人的にはA面よりこちらの方が好みだったりします。
別れた愛しい女性の面影を、一人盛り場で忍ぶ男の心情を歌っている作品。
A面同様女性メンバーとのデュエットの形式は取っておらず、リードボーカルの矢野憲一郎氏のバックコーラスとして他のメンバーと共に徹しています。
冒頭”長崎のムードコーラス同士の繋がり”と記しましたが、それはアロー・ナイツのメンバー自身にも当てはまり、メンバーの内二人が元・松本敏美とハニー・トーンズ(『思案橋”空車”』という曲を残す)というグループ出身でもあります。
当時アロー・ナイツは長崎の「ミカド」というキャバレーで歌っていたらしく、同時期には「オランダ」というキャバレーのジ・アーズと言ったグループもおり、他にも様々な歌い手がいた、という事がタブレット純氏の著「ムードコーラス聖地純礼」に書かれており、夜のキャバレーが活気に溢れ、当時の華やかなりしころを想起させます。
【レコードデータ】
レコード会社:マリオン・レコード
レコード番号:W-1018
発売日:?年?月?日
A面 『想い出の長崎』 作詞:赤瀬真雄 作曲:矢野憲一郎 編曲:郷徹也
B面 『夜の慕情』 作詞曲:川原弘 編曲:郷徹也
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