〽好いたふりして あげるから
惚れたふりして 踊ってね〽
四国、女子大小路、甲府、鹿児島と渋めのご当地ソングを歌ってきた森雄二とサザンクロスが、1982年に発表したご当地ソングがこの『前橋ブルース』でした。
サザンクロスの楽曲は、当時北関東方面で人気があり、事実デビュー盤の『さようなら幸せに』はその方面から売れ始め、結果約2万枚売れたそうです。
これは、当時新人の彼らに対して、それほど多く宣伝費をかけられず、キャンペーンに赴くにしても、東京から日帰りで済ませられる範囲でしか移動できない事情もあり、結果その範囲内にある北関東、甲信越地方から売れ始めた・・・との事が、中川博之氏の自著「歌との出逢い 愛とのめぐり逢い-中川博之物語-」に記されていました。
その様なエピソードを読むと、この『前橋ブルース』の製作に関しては、北関東のファンに対する恩返し的な意味合いもあったのかもしれません。
そんな『前橋ブルース』は、中川博之氏お得意のマイナーブルース調で、夜のネオン街の雰囲気満点の作品。
『足手まとい』、『好きですサッポロ』の様な軽快さは消え、重厚でムーディな楽曲となっています。
B面の『いちりんざし』は、『前橋~』とはやや趣を異にした演歌がかった作品。
最初聴いた時は、サザンクロスにしてはやけに演歌っぽい歌だなと思ったのですが、この作品は松崎かつみ氏という演歌歌手がオリジナルで、サザンクロスより前にリリースした楽曲だったことが後に判明。
どおりでサザンクロスのいつもの楽曲とは雰囲気が違った訳です。
ただ、こうした演歌な楽曲もサザンクロスはお手の物で、しっかりと彼ら色に染め上げた『いちりんざし』が本レコードには収録されています。
【レコードデータ】
レコード会社:クラウンレコード
レコード番号:CWA-124
発売日:1982年4月?日
A面 『前橋ブルース』 作詞:星野哲郎 作曲:中川博之 編曲:神山純一
B面 『いちりんざし』 作詞:松下章一 作曲:中川博之 編曲:神保正明
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