クラウン時代の森雄二とサザンクロス、ほぼ最末期にリリースされたシングルレコードです。
サザンクロスは(特に中川氏とのコンビネーション作品では)、典型的なムード歌謡といった感じのオリジナル楽曲が大半でしたが、今回の『京都ろまん』はしっとりとした”やや”演歌懸かった歌謡曲仕立てになっています。
イントロや間奏、コーダの主旋律ではエレキギターによる演奏が耳に残るのですが、やはり「京都」を舞台にした曲ということでオブリガードで「京琴」が使用されており、純和風の雰囲気を出しています。
「東山」、「大文字」、「鴨川柳」、「高瀬川」、「木屋町筋」、「先斗町」、「嵯峨野」、「嵐山」、「西陣織」と京都を代表する名所等が歌の随所に散りばめられており、京都の情景をまざまざと頭の中に想起させてくれます。
この曲は彼らのベストアルバム、LP、CD共に収録されたことはあるにはあるのですが、どちらかと言えばやはり、収録される機会にはほとんど恵まれない1曲ではあります。
私の調べた限りでは、サザンクロスはこの曲の次にリリースする『愛はゆらゆら』をクラウン最後のシングルとして残し、その直後に残念ながら一旦解散してしまいます。
中川氏にとってはそのことがショックだったようで、仕事をする気にもならないほどだったそうですが、自ら唄うことで気を紛らそうと後に自作自演のシングルを出すきっかけにもなりましたが、それはまた別の機会に・・・。
【レコードデータ】
レコード会社:クラウンレコード
レコード番号:CWA-233
発売日:1984年?月?日
A面 『京都ろまん』 作詞:新本創子 作曲:中川博之 編曲:神山純一
B面 『誰かが泣いて・・・』 作詞:北島和明 作曲:中川博之 編曲:神山純一 (オリジナルLP『愛』からのシングルカット)