画像は1980年に発売された「G&G美川憲一全曲集」というカセットアルバムです。
最近手に入れたアイテムなのですが、このカセットには、美川氏のシングルのオリジナル曲や他のアルバム等ではほとんど見かけない、恐らく(?)このアイテムでしか聴けないようなカバー曲が多数あったので購入いたしました。
私が初めてこのカセットで聴いたカバー曲は以下の通り。
『恋あざみ』 作詞:泉淳三 作曲:彩木雅夫
『二人でお酒を』 作詞:山上路夫 作曲:平尾昌晃
『四季・奈津子』 作詞:五木寛之 作曲:笠井幹男
『大阪しぐれ』 作詞:吉岡治 作曲:市川昭介
『お嫁にゆけないわたし』 作詞曲:三浦弘
『愛のゆくえ』 作詞:伊井田朗 作曲:水森英夫
『花から花へと』 作詞:白鳥園枝 作曲:むらさき幸
*残念ながら、編曲者名のクレジットはありませんでした。
どの楽曲も美川節が炸裂しており、氏独特の世界観で歌われております。
『恋あざみ』での美川氏の歌唱は、オリジナルよりさらに女性の細やかな心情をストレートに表現しているように感じられました。
『四季・奈津子』、調べてみると五木寛之氏原作の同名小説で、映画化の際の主題歌としてチェリッシュが歌ったものだったそうです。
チェリッシュ盤は聴いたことがあったのですが、個人的に美川氏のバージョンの方がじっくりと聴けるような気がして、こちらの方が好みではありました。
『お嫁にゆけないわたし』は、三浦弘とハニーシックスのカバーです。
ハニーの楽曲を美川氏がカバーしていたとは全く思いもよりませんでした。
この曲ではハニーシックスのオリジナルと比べ、美川氏は淡々と歌っており、どこか達観したような女性の雰囲気を表現しております。
「もうお嫁になんか行かなくてもいいか」というドライな女性像を思い描いてしまいました。
『愛のゆくえ』は、幸田薫氏という女性歌手によって歌われたものです。
幸田薫と言ってもピンと来る人もあまりいないかもしれませんが、テレビ朝日系列の『西部警察』の所謂パートⅠ時代に石原裕次郎ら刑事たちがよく行くバーで毎回弾き語りをしていた方で、そこでこの幸田氏がオリジナルの『愛のゆくえ』を歌われていました。
幸田薫氏の楽曲を、別の歌手の方がカバーしてるのは私自身全く今まで見たことが無く、ましてや、初めて見たのがこの美川氏のバージョンだったので、大変驚きました。
こうしてみると、美川氏の楽曲にもオリジナル、カバー曲ともにまだまだ埋もれている名曲がありそうです。
10数年前に「美川憲一大全集」なる5枚組のCDBOXが発売されましたが、本気で全楽曲を集めたら5枚程度では到底収まるものではないでしょう。
いつの日か隠れた名曲達に日の目を当ててもらいたいものです。