『別れの詩(うた) 美川憲一女ごころを唄う』
1972年3月にリリースされたもので、他の歌手が歌った楽曲を美川氏がカバーする、という企画アルバムです。
この中に、同じクラウンの(但し’72年当時はビクターでしたが)ムードコーラスグループ、黒沢明とロス・プリモスの『ラブユー東京』、『雨の銀座』が収録されていました。
ロスプリは美川氏の楽曲をいくつかカバーしていましたが(『柳ケ瀬ブルース』、『柳ケ瀬の女』、『女が靴下をぬぐとき』等)、美川氏がロスプリの楽曲を(競作の『新潟ブルース』、『信濃川慕情』は除外して)カバーしてるのは見かけないので、珍しいと思いました。
『ラブユー東京』、オリジナルと比べると、さらに主人公の女性の心情を深く掘り下げたような、美川氏独特の歌唱表現になっております。
オリジナルのロスプリの軽い、聴きやすいタッチも勿論良いのですが、美川バージョンもなかなか捨てがたい楽曲だなと感じました。
『雨の銀座』もまた然りで、こちらはキーがオリジナルより低くなっているせいもあるのでしょうが、重厚な雰囲気に仕上がっており、雨の中をただ待つ女性の”恨み節”の様相も若干呈しているようにも感じられました。
【レコードデータ】
レコード会社:クラウンレコード
レコード番号:GW-7024Q
発売日:1972年3月?日
A面
1.『お別れ公衆電話』 作詞:藤間哲郎 作曲:袴田宗孝
2.『おんなの宿』 作詞:星野哲郎 作曲:船村徹
3.『未練の波止場』 作詞:松井由利夫 作曲:水時富士夫
4.『熱海の夜』 作詞:荒川俊夫・藤本美沙 作曲:山田俊弘
5.『銀座の蝶』 作詞:横井弘 作曲:桜田誠一
6.『どうせ拾った恋だもの』 作詞:野村俊夫 作曲:船村徹
B面
1.『今は幸せかい』 作詞曲:中村泰士
2.『ラブユー東京』 作詞:上原尚 作曲:中川博之
3.『長崎ブルース』 作詞:吉川静夫 作曲:渡久地政信
4.『年上の女』 作詞:中山貴美 作曲:彩木雅夫
5.『花と蝶』 作詞:川内康範 作曲:彩木雅夫
6.『雨の銀座』 作詞:富樫政子 作曲:中川博之
全編曲:小杉仁三